2017年3月14日火曜日

『日本の鳥』内田 清之助 著(1943年刊)


先に紹介した中西悟堂の『野鳥を訪ねて』と一緒に、もう一冊落札した本。

『日本の鳥』



著者は鳥類学者の内田清之助

この本は、前述の『野鳥を・・・』の翌年、1943年の初版本です。

まえがきに

「この本を讀んでから、なんとなく鳥がすきになつたといふ人があつたら、私はうれしく思ひます。(中略)今までよりも深く注意して見るやうになつた、といつてくださる方が多くなつたら、私はもつとうれしく思ひます。この本を書いた目的が、半分以上果たされたやうなものです。」

と書いてあるように、もっと多くの人に身近な鳥から興味を持ってもらいたい目的で書かれたようで、全国の天然記念物の紹介、日本の鳥の紹介、オーストラリアやニュージーランドの南洋の鳥、鳥にまつわる雑学的な話題などが散りばめられています。

文章がとても面白く

「ちよつと来てごらんなさい。森の中に『御書院の池』といふヲシドリの樂園になつてゐ(い)る池があります。あ、しづかに、しづかに―ヲシドリは人の気配に敏感です。とても用心深い鳥ですよ」

というように、読者が同行していて、道中話しているような口語体で書かれています。

鳥に興味を持ってもらいたい、鳥への愛が感じられる、こちらもまたワクワクする一冊です。

出品情報によると、写真は科学映画で著名だった下村兼史氏、挿絵は戸田達夫氏、装幀は花鳥画の大家の森白甫氏、とのこと。


今回ヤフオクで購入出来た本2冊は偶然、同じ出品者の方で、1冊目を落札した際にメッセージを頂き、「もう1冊にも入札して頂いており、こちらも多分落札できると思われます。2冊一緒に書籍郵便で送らせていただきます」と、送料を先方負担で送っていただきました!
その迅速かつ優しいご対応にも、ほんとに良い買い物をしたなあ、と幸せを感じています。

送って頂いた際の切手がこれまた素敵すぎて。


80円切手は北海道の自然シリーズ(?)で、エゾシカ、ヒグマ、オオワシ、シレトコスミレ。
10円切手は、朱鷺です。

多分偶然ではないと思うんですよね。
久々にアクセスしたヤフオクで、良い本をゲットできただけでなく、ほんとに良い出会いをしたなあとしみじみ感じています^^




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